理念主導型経営と制度的リーダーシップに関する一考察 －原点思考の経営者言行から－

本報告は、厳しい経営環境のもとで、経営理念に立脚した‘原点’を見据えながらゴーイング・コンサーンとしての存立を追求しているベンチャー型中小企業において、経営者が主導しているリーダーシップの実相を把握・分析し、知見を導出する探索的事例研究にもとづく内容である。
分析視角は、経営理念を基底とする集団目標の達成に向けた潜在的影響力を、経営者がいかに戦略的に発揮しつつ、現場のモチベーションの維持・向上を図っているかである。
本事例研究の成果であるが、経営者自身がイノベーションの実行者として、方針策定から現場の創意工夫・実行の主導に至るプロセスで‘原点’思考を重ねながら、主体的な内省を伴う制度的リーダーシップを戦略的に発揮している言行を把握・分析した結果をもとに、ダイバーシティ推進時代を睨んだ現代企業経営に求められる要件や課題を明示した。

経営哲学学会「第36回全国大会」（於）立命館大学　『報告要旨集』あり