組織市民行動の裁量性に関する理論的検討
本稿の研究目的は組織市民行動の裁量性に関する理論的な検討を通じて組織市民行動が分析の対象とする領域を明らかにし、経営学における自律性と組織市民行動における裁量性との関係を導出することである。本稿は考察から2つの示唆を得た。第1に組織市民行動は職務をどれだけ遂行するかという構成員の自律性をも分析の対象にしていることである。第2に組織市民行動はこれまで経営学における自律性の研究が明確に対象にしていなかった職務の枠にとらわれない行動を分析の対象にしていることである。
『経営研究』
第68巻
第4号