組織市民行動に関する定性的研究―積極的組織市民行動と能動的組織市民行動―
本稿は組織市民行動のレビューを通じて当該領域では定性的研究による研究蓄積が十分でないことを明らかにした。そこで、組織成員が、なぜ、どのようにして組織市民行動を行っているのかということを明らかにするために3つの組織で参与観察を行った。得られた示唆は、以下のとおりである。第1に、官僚的な組織になればなるほど組織市民行動が生起する余地が少くなることである。第2に、構成員は組織市民行動を行う理由を考えておらず、市民的な態度のもとで組織市民行動が生起していることである。
大阪市立大学