本稿は、日本、アメリカ、インドの個人データを用いて、出生体重がその後の人生に影響を与えているか否かを検証した。具体的には、出生体重が、青年期の学力だけでなく、成人後の身長、学歴、婚姻状況、BMI、健康状態、所得、幸福度といった社会的に重要な広範な成果に、かつ長期的に影響しているか否かを分析した。その結果、日本においては、低出生体重がすべての成果に影響を及ぼし、多くの成果に負の影響を与えることを確認した。アメリカにおいては、低出生体重はどの成果変数にも影響しないが、高出生体重は健康と幸福度に負の影響を与える一方、インドにおいては、低出生体重が多くの成果変数に負の影響を与え、高出生体重は所得、健康、幸福度に正の影響を与えることを明らかにした。