東日本大震災が発生する前と後で、人々の移住への意思決定がどのように変化したかを分析している。具体的には、2009年から2012年までのアンケート調査結果から得られたパネル・データを用い、震災前後の移住に関する意思決定について、個人レベルの比較を行っている。その結果、(1)被災地から居住地が近い人ほど移動を希望する、(2)小さな子どもがいる人ほど移動を希望する、(3)とりわけ、(2)の効果は女性に観察されるもので、男性には効果がない。すなわち、リスクに対する対応が男女によって異なることが明らかとなった。