経済成長の収束問題を金融システムの視点から検証している。具体的には、金融システム発展の閾値効果(Threshold Effects)に着目し、Hansen(2000)の閾値回帰分析の手法を用いて経済成長の収束問題に対するアプローチを試みている。また、新しい試みとして、金融システムの発展の閾値効果を前提とした他変数の閾値効果の分析も行った。分析の結果、金融システムの発展に関する閾値効果の存在が明らかとなり、さらには、高度な金融システムを有する経済においては、教育水準、貿易開放度に関して閾値の存在を示唆する結果が得られた。