本稿は、大阪大学GCOEが2009、2010年に実施したアンケート調査を用いて、人々の居住県選択と地域特性の関係について分析を行なっている。その結果、多くの人が現在の居住県に満足し、今後も同じ県に住み続けることを希望していることが明らかとなった。さらに、人々がどのような理由で居住県を選択しているのかに焦点を当て、多項ロジットモデルを推定して要因分析を行なった結果、自然環境、地元・家族への思い、生活の利便性といった地域の持つ特性が、人々の居住県選択という意思決定に大きく影響を及ぼしていることが明らかとなった。