近年,サービス業や小売業などの顧客接点で活動する現場従業員のクリエイティビティが注目されている。にもかかわらず,クリエイティビティに関する多くの先行研究は,製造業のR&D部門や生産部門におけるクリエイティビティを対象としてきた。しかし,顧客接点の現場従業員のクリエイティビティを鑑みる際,既存研究とは異なる特徴を考慮する必要がある。それを踏まえ,本稿では,顧客接点の現場従業員がバウンダリー・スパナーとして顧客と組織の双方においてクリエイティビティを発揮するといった主張に基づき,クリエイティビティを2つに分ける意義の考察と今後の研究に対する問題提起を行うものである。