わが国政府が 2008 年に掲げた「留学生 30 万人計画」は、その目途とする 2020 年よりも1 年早く、2019 年 5 月時点で外国人留学生総数が 31 万人強に達したことから、数字の上では達成されたといえる。しかし、その出口戦略ともいうべき外国人留学生の「就職」については様々な問題点が指摘されている。例えば、日本人学生と比較して「低い就職率」や入社後の「低い定着率」などである。
こうした中、本研究プロジェクトでは、関⻄の大学・大学院で実施されている留学生への就職支援施策、わが国企業における留学生の採用・活用を巡る現状と課題、さらには留学生自身が日本での就職活動に際してどのような問題や悩みに直面しているのか、などを明らかにすべく、活動を進めてきた。そして、本報告書では、関⻄に所在する大学・大学院に在籍している留学生を対象に実施したアンケート調査結果をレポートする。具体的には、留学
生の大学・大学院の卒業・修了後の進路希望、留学生の就職内定状況、留学生の日本企業への就職活動における課題等について分析を行った。また、昨年からの新型コロナウィルス問題が留学生の就職活動に及ぼす影響も探った。
共著者:CAO Thi Khanh Nguyet氏(京都先端科学大学)