タックス・ヘイブン対策税制のしくみに関する一考察 -海運業における租税裁定取引を題材にー
本論文では外航海運業を題材にタックスヘイブン対策税制のしくみを考察し、租税裁定行動の誘因となる構造であることを明らかにして、同税制の改正に向けた論議に新たな視点を提供することを目的とした。結論として米国のような所得別管理方式への移行が望まれるが、現行のエンティティ方式を維持する場合においても制度の枠内で取引類型別の対応を行うという課税の中立論に立った改正の論議が重要であるとした。
広島大学