広島大学図書館蔵『天神之御本地』寛永2(1625)年写本の翻刻を行った。本資料は天神縁起の一本として扱われる写本であり、全体の翻刻はこれまで公刊されていなかった。言語資料としても価値が高く、①舌内入声音と促音に特殊な字体が使用され、その他の「つ」とは区別されている点、②仮名書きの漢語が豊富であり、当時の漢語の語形が推定可能である点など、日本語音韻史研究の資料として活用することができる。
担当箇所:翻字、原稿作成
著者名:広島大学日本語史研究会 *メンバー:坂水貴司・申智娟・本間啓朗・楢崎寛之・糸山由樹・西浦瑞姫・板谷智美・田中園絵・畠山ともみ・宮﨑若菜・山口倫香・佐々木勇