論文

基本情報

氏名 坂水 貴司
氏名(カナ) サカミズ タカシ
氏名(英語) Takashi SAKAMIZU
所属 広島経済大学 教養教育部会
職名 助教
researchmap研究者コード
researchmap機関

題名

呉音資料における個別的声調変化の事例――「等」の声調について――

単著・共著の別

単著

著者

坂水 貴司

担当区分

概要

呉音資料ではある字音形態素(以下「字」とする)の声調が一つに定まらない場合がある。このような事例として、本稿では字音形態素「等」を取り上げる。
本稿ではまず古写本・近世版本で「等」に対する声点加点例を調査する。次に、上声点加点が見られる「等持」「等至」について、「等」の意味に違いがない場合にも声調が異なること、禅定関連の類似用語とも声調が異なること、「等持」「等至」を構成する字の字音の種類がいびつであること、呉音声調から外れる声調をもつ語が二語あることを指摘した。
調査の結果、「等」の呉音声調は平声であり、「等持」「等至」の「等」は上声であることが明らかになった。この要因は「等持」「等至」が個別的な変化を経験したためと推測し、漢音語「等至」への類推で「等持」の「等」が上声化したものと考えた。「等至」への類推が起こったのは、「等持等至」というコロケーションが高頻度で生じたためと考えられた。

発表雑誌等の名称

訓点語と訓点資料

出版者

訓点語学会

第153輯

開始ページ

45

終了ページ

64

発行又は発表の年月

2024/09