清原宣賢と清原枝賢の字音点の相違について
世代の異なる清原宣賢(1475-1550)と清原枝賢(1520-1590)の訓点資料の字音点を比較し、その違いを記述した。すなわち、「ジ」と「ヂ」の合流が枝賢点にはあること、宣賢点では「アウ」となる連母音が枝賢点では「ワウ」となることを示した。また宣賢点より枝賢点の方が、漢音中心の訓点資料であっても、呉音形が多い。宣賢と枝賢の間の字音点の差は、「漢音の衰退」「四つ仮名の混同」「オ段長音の開合」に関わる言語変化を示す。
『広島大学大学院教育学研究科紀要 第二部 文化教育開発関連領域』、広島大学大学院教育学研究科
第64号