『歎異抄を読む』
親鸞の語録であり、弟子の唯円が書き残したと言われる『歎異抄』について、第十章までを中心に解説した書。従来の浄土真宗における伝統的な宗学を踏まえながらも、その範囲を越えて、広く世界宗教としての内実を備えた親鸞浄土教の本質を探る。特に第三章の「悪人正機説」についてはその本質を人間精神のあり方として、個人的経験にとどまらない普遍的なあり方として説く。
洛西書院