親鸞の「横超」について
親鸞浄土教に「横超」という親鸞独特の思想があり、それについて考察する。「横」と「縦(竪)」は元来空間的な認識であるが、浄土教においては浄土を西方浄土とすることから、水平的な発想が強い。しかし一方で「横」には言葉として「縦(竪)」を正統的な秩序とする発想に対して、非正統の意味合いをもつ印象がある。親鸞はそのような語感をもつ「横」という言葉を使い「横超」という概念を立てた。その思想的意味を論じた。
1984年度早稲田大学文学研究科紀要