本研究は,ラジオ局で実践した高校生向けのメディア・リテラシー育成プログラム(後藤ら, 2016)の課題を整理し,より効率的に教育効果を得られるプログラムに改善して実践,評価したものである。内容と効率性を改善したプログラムを実践し,実践前,講義中心の活動後,番組制作中心の活動後に,メディア・リテラシー尺度で質問紙調査をした。また,活動中の気づきと学びをノートに記述させ,番組で発表をさせた。その結果,質問紙の「web情報に対する批判的思考」「主体的態度」は,講義中心の活動後より番組制作中心の活動後のほうが得点の向上が大きかった。また,ノートへの記述と番組での発話では,「情報収集,整理,表現」への気づきや学びがあった人は全体の約94%,「批判的思考」「メディア特性の理解」が,ともに全体の約78%であった。これらのことから,後藤ら(2016)より効率的に教育効果を得られるプログラムに改善できた。