2013年7月の参院選よりネットでの選挙運動が解禁され,東日本大震災や原発の影響で地元を離れている有権者にとっては選挙情報を得るのにネットは有効だという報道が多くあった。本研究では「被災有権者はネット上の選挙情報を活用できたのか」などをインタビュー調査し,ネット選挙解禁による影響を調査した。その結果,被災有権者の多くがネット上の選挙情報を活用していなかった。一方,多くの候補者はネットを選挙戦で活用し,そのメリットを享受したと回答。有権者と候補者のネット活用に関する状況は異なっていた。ネットが選挙で有効な手段になるには,デジタルデバイドを解消した上で,利用者の情報リテラシーを向上していく必要があることを明らかにした。