煉獄と剥がれゆく自我―『ピンチャー・マーティン』に関するラカン派精神分析的考察
本稿はウィリアム・ゴールディングの『ピンチャー・マーティン』の主人公であるクリスの、肉体の死後の世界について注目する。そしてそのようなクリスの世界について、ジャック・ラカンの「ボロメオの輪」を使った解説を行い、そのような世界に対するクリスの反応と、彼に起こった現象についての考察を行う。最終的には、クリスがどのような結末を迎えたかについて明らかにする。
安田女子大学
第508号