「カラリズムに抵抗するハーストン ――戯曲『ポーク・カウンティ』における三種の黒人女性表象から」
光森 幸子
『ポーク・カウンティ』(1944)はゾラ・ニール・ハーストン最後の戯曲である。ミュージカル喜劇とはいえアメリカの社会問題カラリズムが取り上げられている。本稿では、肌の色の異なる三人の女性へのカラリズムの影響を順に検討し、それに対する各々の対応を考察した。そして黒人女性の孤立や自己喪失、ひいてはコミュニティの分断を誘引するカラリズムに、ハーストンが多角的な視点から抵抗していたことと、女性解放の視点を読み解いた。
『中・四国アメリカ文学研究』
中・四国アメリカ文学会
第59号