「カラリズムを越えるハーストンの黒人表象 ――戯曲『カラー・ストラック』における黒人女性の自律」
光森 幸子
劇作家としてのゾラ・ニール・ハーストンはあまり知られていないが、本稿ではそのなかでも比較的論じられている『カラー・ストラック』に注目した。まず批評家デイヴィド・クラズナーの、グレート・マイグレーションの視点からの作品解釈を検討したうえで、黒人女性エマの痛みに着目し、カラリズムが黒人女性に及ぼす有害な影響を考察した。そして、ハーストンの評論、「黒人表現の特徴」から、最後のエマの姿に託された黒人表象を明らかにした。
『フォークナー』
三修社
第25号