「サヴァイヴァルを超えた命の繋がり―アリス・ウォーカーの『グレンジ・コープランドの第三の人生』における命の考察を通して―」
光森 幸子
アリス・ウォーカーの『グレンジ・コープランドの第三の人生』(1970)において、従来の研究は主人公グレンジの黒人男性としての自己解放に重点を置いてきたが、その解釈だけでは彼の人間的成長を説明できない。そこでグレンジの行動を時系列に沿って詳細に検討し、段階的な彼の精神的成長を考察したうえで、彼が自分の犯した罪を自ら償う姿に、ウォーカーが黒人の非暴力の闘いを託し、未来を見据えていたことを明らかにした。
『英語英文學研究』
広島大学英文学会
第58 巻号