A Study of The Return of the Native -Man as the‘slighted and enduring'-
エグドン・ヒースは先史時代から不変の原野である。この地を舞台に展開される人間の生き方を通じ、作者トーマス・ハーディーの人生観を探る。自然環境に蔑ろにされた人間が生きるためには、人生に絶望するのではなく、その中で耐え、全てを甘受することしか残されていない。自己の運命に絶望して自殺したユーステイシアと、飽くまで自然に身を委ねて生き続けたクリムの生き方を、彼らのエグドンに対する意識を中心に比較しながら、作者の思想を考察する。