本稿は、日系アメリカ人の強制移住・拘禁計画に関して、合衆国最高裁判所が判断を下した3つの事件について検討したものである。これらの事件を通して最高裁の判断理由につき、法的歴史的な考察方法を試みた。また、国家存亡の危機にある(またはあると考えられる)状況の下、これらの事件と同様な問題が生じた場合、制度的に一括した権利の剥奪は、今日において正当化は困難であり、また、マイノリティー集団はより大きな影響力を持つようになったため、権利剥奪に対しては真っ向から争う立場にもある、と指摘した。現行の最高裁は、特定の権利における剥奪の程度について、危機の深刻さとのバランスを図ることにより判断するのではないかと考えたものである。