「鉄道におけるナショナル、インターナショナル、トランスナショナル」―19世紀前半バーデン広軌鉄道の技術導入―
既存の一国鉄道史の枠組みでは、技術導入や邦有化などのバーデン広軌鉄道の活動(歴史的事実)を説明しきれななかった。そこで共通論題の主題である「ナショナル、インターナショナル、トランスナショナル」な分析の枠組みの導入は、非合理的事象としての説明に終始していた通説とは異なり、技術導入や邦有化を合理的に、かつ一括して説明可能にした。加えて欧州規模での鉄道技術の普及・拡大とそれに貢献した鉄道技師の人的ネットワークの解明に貢献する可能性を示唆した。
鉄道史学会2022年度大会共通論題報告 於国士館大学 報告発表