19世紀中葉西南ドイツにおける鉄道建設-バーデン大公国の事例―
本稿では19世紀中葉のドイツ鉄道建設の中でユニークな特徴を持つ領邦国家バーデンを取り上げた。とくに従来肯定的に評価されていないバーデンの広軌採用に関して、軌間の選択ならびに改軌の理由を考慮することで、その背景に一貫した戦略があったことを指摘した。さらに、当時のドイツで多数採用されていた「標準軌」の技術規格にバーデンが収斂する理由を経済学的に考察した。(25頁)
広島経済大学創立40周年記念論文集