企業の持つさまざまな経営資源が、どのような形で結実するかということは多分に偶然に左右される。本研究では、不二製油という食品メーカーが取引先企業との共同問題解決のために設立したサニープラザの事例を取り上げ、経営資源が製品開発に生かされるプロセスを検討した。新製品開発においては、原材料メイカーの持つ技術力が食品メーカーである不二製油を通して、顧客企業(川下の食品メーカ-や小売業)の問題解決に役立てられる。通常こうした儀中の応用可能性の発見は、取引ネットワークの中で偶然的に発生するものであるが、不二製油はサニープラザという施設を作り、取引先と共同でさまざまな研究を行うことで、偶然に起こるイノベーションを取り込むことに成功している興味深い事例である。(共同発表:王怡人、細井謙一、竹村正明、太田一樹)