ネットワーク論の示唆するところによれば、ネットワーク上のポジションには、有利なポジションもあれば不利なポジションもある。もしある企業が、ネットワーク上で不利なポジションを占めているとすれば、有利なポジションへと移行する必要がある。本研究では、この問題を解く手がかりとして、Gadde & Mattsson (1987)のフレームワークに従って、日本の中小企業のポジション移行の実態を明らかにすることを試みた。134社から質問票への回答を得、回答結果を、フレームワークに従って分類した結果、2000年から2009年までの間、取引関係上のポジションの変更に成功した企業はきわめて少なく、ネットワークポジションを変えることは極めて難しいということが分かった。Masaaki Takemura, Yoritoshi Hara, Kenichi Hosoi, and Masae Takimoto