本研究では、販売員の手続的知識と販売業績の関係が、販売員の経験年数によって媒介されることを実証的に明らかにした。経験年数 3年未満のグループと、10年以上のグループでは、経験年数と販売業績の間の相関がなく、 3-9年のグループでは経験年数と販売業績の間に強い相関関係が見られた。各グループで、同一の手続き型知識であっても、業績との間に異なった相関関係が見られた。こうした研究結果から、経験年数を考慮せず、単純に販売員知識と販売成果の関係を分析してきた先行研究の結果には、問題がある可能性がある。また、販売員を管理しようとする場合、経験年数によって、異なった対応が必要となるという含意を得た。(共同発表:細井謙一、松尾睦)