セールス・マネジメント研究成立以来今日まで約100年間の文献レビューから既存研究の問題構造を分析、近年盛んに行われている我が国企業の営業部門の研究に既存研究を応用しようとする際に予想される問題点とその克服の方法を探求した。具体的には、近年の営業部門の研究で我が国に独特の問題としてしばしば指摘される問題が既存研究の展開の過程で捨象された条件統制問題に他ならないことを指摘、条件統制問題を再度理論の枠組の中に取り入れることの重要性を指摘した。またその方法として既存研究におけるいわゆる認知的アプローチの実証研究時の状況設定に条件統制に関する要因を盛り込むことが有望であることを主張した。