人的販売研究における認知的アプローチ
人的販売研究において、現在もっとも中心的なアプローチである認知的アプローチについて、その内容、研究の位置づけ、意義、問題点等について検討した論文。現実の販売員行動は自らの環境への積極的な働きかけであるのに対して、認知的アプローチは、そのメタ・セオリーである認知心理学の性質上、こうした販売員行動の解明は困難であること、より具体的には、認知心理学は、行動主義心理学に比較すればより能動的な人間観に立つとはいえ、根本的に生態系への受動的な適応を論ずるものであるということを指摘した。
六甲台論集
第39巻
第2号