生命保険企業の営業職員について、戦略目標の違いがもたらす知識構造として表象された販売行動の違いを分析した。ある顧客に初めてあったときという状況設定のもとでも、既存顧客との関係強化という目標が与えられた場合には関係構築や情報収集に関わる行動が重視されているのに対し、他社顧客の獲得という目標が与えられている場合には既契約の内容に関わる情報収集など直接的に契約内容の見直しにつながるような行動が重視されていた。また営業職員の行動の違いは、営業職員のタイプや勤続年数によっても異なっており成果との関連もそうした要因によって異なっていることもわかった。勤続年数による販売員行動の違いは既に松尾ほか(1998)(上記論文10)によって確認されているが、戦略目標、営業職員のタイプによっても適切な行動は異なることが確認された。(文部省科学研究費課題番号09730074による助成研究の一部)