産業材営業担当者のプロスペクティング(潜在顧客の有望度の見極め)における、ソーシャル・ネットワークに起因する認知の歪みについて、その存在を確認し、その性質を分析した実証研究。筆者のこれまでの研究から、営業担当者は業界ネットワークの中心にいる顧客を有望な顧客とみなす傾向があることが示唆されていた。しかし、ネットワークの中心の位置を占めることは、有利な場合もあれば、有利ではないこともあり、常に有利とも言えない。この点、営業担当者は、中心的位置のメリットを過度に重視し、ネットワークの中心にいる顧客に過度に営業努力を注ぐ傾向があることが明らかとなった。JSPS科研費(基盤研究(C)、課題番号25380587)による助成研究の成果の一部。