マーケティング論における人的販売研究について、その展開の経緯、現状、課題を検討した論文。一般に人的販売の課題は顧客の説得であり、これに指針を与えることが人的販売研究の課題であるとされるが、現在のアプローチではこの課題を十分に達成しえないことを指摘した。具体的には、顧客の説得を論ずる場合、販売員による販売組織内の意見対立やパワー関係の調整をぬきにしては論じられないということ、そのために販売員を販売組織の一員としてとらえなおすべきこと、この2点を人的販売研究への組織的視角と称し、これを提示した論文。