販売とはいかなる活動であるのかということを、パーソナル・セリング研究の成果をもとに、考察した論文。パーソナル・セリング研究においては、販売とは顧客の説得であると考えられている。こうした販売観は、今日では、販売員の販売状況への認知と適応として、記述され、研究されている。本稿では、こうした販売観が、認知的アプローチとして結実する経緯を述べ、また認知的アプローチの具体的な研究成果をレビューすることによって、研究の進むべき方向を考察した。なお、本稿は 1996年6月に開催された日本消費者行動研究学会第8回コンファレンスにおいて、筆者が同一論題でおこなった研究報告に加筆・修正した論文。