企業の営業・販売部門の管理者が直面する問題の多くは、管理対象である営業要員の行動が、管理者とは空間的にも時間的にも隔たったところで行われることから生じる。従って、営業管理の基本問題は、営業要員と顧客との間で行われる相互作用をいかにして可視化するかという問題と、可視化された行動をいかにして間接的に管理するかという問題に大別される。前者を相互作用問題、後者を間接管理問題と呼ぶ。相互作用問題に関しては、営業要員の知識に着目すれば比較的容易に営業要員の行動を可視化できることを示した。また、間接管理問題に関しては、間接管理の要諦を可視化された営業要員の行動を移植することによる標準化ととらえることで、様々な管理業務が体系的に理解できることを示した。