所得税の累進性と消費税-税収中立下での政策効果-
本稿では、ライフサイクル一般均衡モデルに家計の労働効率の差異による所得格差を導入した。そして、累進性と課税最低限を有する勤労所得税と消費税がマクロ経済の長期均衡に与える影響について分析を行った。増税を行うシミュレーション結果では、消費税は、逆進性を示し、累進勤労所得税は、低所得者に優しく、経済全体の総効用の低下を少なくした。また、勤労所得税で課税最低限引上げの場合、総効用の低下が最も低かった。
経済学研究(広島大学大学院)
第14集