論文

基本情報

氏名 中嶋 則夫
氏名(カナ) ナカシマ ノリオ
氏名(英語) Norio Nakashima
所属 広島経済大学 経済学部 経済
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

題名

英国における近隣居住地域住民の人的関係性と公共財の私的供給

単著・共著の別

単著

著者

 

担当区分

 

概要

" 日本における社会的孤立の状態は、英国のそれよりも大きいことがOECD(2005)で示された。日本の近隣居住地域では、自治会・町内会の組織が難しくなってきたり、消防団員の確保が難しくなってきたりしている状況が生じていて、近隣居住地域の住民間交流の有益性は、個人レベルでは、認識しつつも、現実には、近隣居住地域における安全・安心の確保が難しくなりつつある。
 本稿では、社会的孤立が日本に比べ進んでいない英国での近隣居住地域における人的関係がどのようになっているのかをアンケート調査を通じて探っている。アンケートでは、人間の利他的側面が存在する前提の妥当性と財・サービスの自発的提供水準に関係性があるかという点が重要であるとし、それに関係する質問項目間で統計学的検証行っている。自発的に行う余暇活動は、構成員間の交流水準はその特性上ある程度高いと思われるため、比較対象として質問項目に含めている。調査の結果、余暇活動の構成員との交流水準に比べ、近隣居住地域住民間交流が少ないことが示された。それを反映して、財・サービスの自発的提供水準の平均の差の検定を行ったところ、両数値には、統計的に有意な差が存在し、余暇活動を行う構成員への財・サービスの自発的提供水準のほうが高い傾向にあるということが明らかになり、人間の利他的側面が存在する可能性と、余暇活動がそれを顕在化する方法としてある程度の効果があることが示された。
 今後は、このような効果を持つ余暇活動における人的交流を近隣居住地域の住民関係に反映できるような、政策的な仕組みに関する議論が必要となる。本稿では、英国で行ったアンケート調査のデータを用いて、政策手段の一つとなりうる余暇活動の持つ効果について検証を行ったので、同様の調査を日本国内でも実施し、財・サービスの自発的供給を通じた、安心・安全という公共財の私的供給を実現する政策的な仕組みを提案していきたい。
"

発表雑誌等の名称

経済研究論集(広島経済大学)

出版者

 

第36巻

第4号

開始ページ

終了ページ

 

発行又は発表の年月

2014/03