「『土屋家日記』の意義-近世後期における豪農の動向を知る手掛り-」
近世の豪農が残した農事日誌の一つを翻刻して注記を加えた上で,その内容について解題論稿を付した。とくに近世農業経営に関して豊富な内容をもつ農事日誌の意義について,農業技術の継承という一般的な理解にとどまらず,近世豪農が有していた「家」意識の表現形態の一つととらえ,「家」と「家」との交流や,情報ネットワーク形成の可能性の一端も抽出した。
農山漁村文化協会
『日本農書全集』 第44巻