「近世後期における一豪農の存在形態-備後国芦田郡福田村國頭家を中心として」
18~19世紀における豪農経営について,その金融的側面と地域社会における役割や幕藩領主権力との関連性などに焦点を絞って検討した。金融面で肥料商として地域農民に前貸しを行う豪農の動向は,自らの経営が存立する基盤である地域社会復興と深く関連するとともに,幕藩領主が期待する勧農的な役割を具現化する一面があることなどを指摘した。
『史学研究』
194号