「男の子」と「女の子」が何かをしている場面の絵をみせて(例えば、「男の子が女の子に花を渡している」場面)、それに対して、後続して提示される文が正しい内容を示しているかどうかを判断させる課題の実験を行った。後続のターゲット文は、正しい判断の内容が一致する場合としない場合があり、さらに、その中に正順とかき混ぜ語順とを作成した。実験の結果、[NP-ga[NP-o + V]]の構造の文が、その場面を描いた絵と、もっとも迅速かつ正確に内容が一致していることが判断できた。このことは、視覚的に提示された文を処理する場合でも、絵をみて文を生成する場合でも、[NP-ga[NP-o + V]]が基本となる正順語順構造であることを証明した。玉岡賀津雄・宮岡弥生・河原純一郎