会話分析の分野において、これまで性差は広く研究されてきた。しかし、話し手の性別や、話し手と聞き手の性別の一致・不一致についての研究は不十分である。そこで本研究では、コンサートのチケットを買うことを大学生が聞き手に依頼する場面で用いる待遇表現について質問紙調査を行い、話し手と聞き手の性別、親疎関係、年齢の上下に関して、決定木分析を用いて分析した。その結果、話し手と聞き手の性別の一致・不一致は、聞き手が先輩や先生のように、話し手に対して「power」を持っている場合に、話し手のポライトネスのレベルに影響するなどの結果が得られた。Tamaoka, K., Lim, H., & Miyaoka, Y.