中国語を母語とする日本語学習者の慣用句とオノマトペの知識が、語彙知識とどのような関係にあるかを、パス解析によって分析した。その結果、慣用句の理解が動詞の知識と直接の因果関係を持っていたのに対して、オノマトペの理解は、慣用句の知識を介して、動詞との間に間接的な因果関係が見られた。慣用句は、「Usage-based Network(Bybee, 1985, 1995)」のように、語彙よりもわずかに大きいひとまとまりの表現として記憶されていると考えられる。一方、オノマトペの理解は、「Global Elaboration model(Levorato & Cacciari, 1995, 1999)」でも言われているように、文脈理解を要求すると言える。Tamaoka, K., Miyaoka, Y., Wu, Y. & Duan, X.