本研究では、中国の1997年、2002年、2007年名目産業連関表を整理して、1997-2002-2007年接続産業連関表を作成した。整合作業にあたって3つの大きな問題があった。1つ目は1997年、2002年、2007年名目産業連関表の調査部門の統一であり、2つ目は統一した統合中分類部門の物価指数および最終需要のデフレーターを求めることであり、3つ目は付加価値の対応物価指数の算出であった。整理した結果、1997年、2002年、2007年名目産業連関表の統合中分類の調査部門を35部門に統一して、各年の名目産業連関表を作り直した。また統合中分類35部門の対応物価指数および最終需要のデフレーターに関しては、国内総生産、中間需要、最終需要の3領域に分けて、横の関係に着目しながら、各領域のデフレーターを求めることにした。さらにインプリシット・デフレーター法を導入して付加価値の対応物価指数の算出を行なった。最後に、上述した試算作業を踏まえ、横の関係に着目して中国1997-2002-2007年接続産業連関表を作成することができた。 今後の課題としては、1997年、2002年、2007年の詳細な物価指数を探りながら、統計小分類を用いて1997年、2002年名目産業連関表を実質化し、より詳細かつ正確な中国1997-2002-2007年接続産業連関表を作成する必要がある。またこの中国1997-2002-2007年接続産業連関表を使用して、時系列における中国産業の変化を比較し、中国の産業調整の経済政策的意義を明らかにしたい。