本研究では、植民都市の視点から1945年以前における中国東北部の都市開発について考察し、特にその空間構造の変化について検討した。その結果、中国東北部の都市は異なる植民・植民地時代には異なる役割を果たしたことを明らかにした。1945年までの中国東北部都市の近代化は、「主人公不在」、すなわち地元住民の意思を無視して、都市の建設・改造が行なわれていた発展過程であった。次に、中国東北部の都市は異なる時代における植民・植民地支配の性格の違いによって、その都市空間構造が大きく変化したことを明らかにした。本研究に続く研究課題としては、1949年中華人民共和国成立から現在に至るまで、中国東北部の都市開発およびその空間構造の変化を検証する必要がある。