産業連関表は、1936年にアメリカのハーバード大学教授の経済学者W.W.レオンチェフ博士によって考案された統計分析法である。その産業連関分析方法は経済予測や経済実態の把握などについて、精度の高さと実用性が認められ、広く世界で使われた。現在中国では、中国統計局は国際基準に基づいて、1997年から全国を対象としている産業連関表を5年ごとに作成している。しかし、中国の5年ごとに実施された産業連関表の調査にあたり、調査部門の分類が多少異なっていたため、まずその整理が必要である。楊(2010) )では、1997年、2002年、2007年名目産業連関表の部門数を35部門に統合して、試算作業を行なった。また2007年の価格を基準にして1997年、2002年名目産業連関表を実質化するため、名目産業連関表に含まれる部門に対応した物価指数を求め、それを連関表と整合的に整理し、中国の1997-2002-2007年接続産業連関表を作成した。
本研究では、中国の1997-2002-2007年接続産業連関表を踏まえ、国内生産額の産業別構成、国内生産額の産業別の伸び、中間投入と粗付加価値、産業別中間投入率、産業別のサービスの中間投入、粗付加価値の構成と伸び、総供給の構成と伸び、総需要の構成と伸び、最終需要の構成と伸び、輸出の産業別の構成と伸び、の10項目を分析し、中国経済構造の推移について検証した。