本研究は、序論、第1章中国東北部における経済構造の変遷、第2章中国東北における人口の変化、第3章中国東北部における都市の成立とその構造変化、第4章東北部都市の構造発展に関する諸問題、結論、の構成となる。本研究は中国東北部における都市の歴史的発展から、その植民地都市的な性格、社会主義都市改造の実態を徹底的に洗い出した上で、改革開放後における都市経済発展のあり方を考究するものである。その結果、東北部の諸都市は経済の改革開放に伴って「単位」都市から「市場」都市へ再編されたこと、また中国東北部都市の発展は日本を含む北東アジア諸国の協力が必要であることを明らかにした。また、改革開放以降、社会主義型都市社会を律してきた「単位」は解体され、市民生活は「単位」依存型から自己発展型へ、都市の内部構造は並立型から結節型へ移行してきたことを分析した。