本研究では、国民経済の中で重要産業の一つである建設業について検討し、特に中国の建設業および建設統計について考察した。その結果、中国建設業の発展は、次のような3段階を分けることができた。①解放前中国の建設業と建設統計、②計画経済下における中国建設業と建設統計の発展(1949-78年)、③改革開放後、中国建設業と建設統計の変化(1978年以降)、である。また本研究では、この中国建設業の発展の3段階を踏まえて、各段階における中国建設統計の特徴、変化および役割を明らかにした。今後の課題としては、中国の経済社会の進展に伴って、社会資本整備に関する基本的諸事項を検証する必要がある。特に改革開放以降、経済の高度成長を成し遂げている中国では、公的投資、そして増加し続ける民間投資という2つ方面から、社会資本整備を検討していきたい。