台湾文化資産保存法における歴史的、文化的価値を有する「建築物」概念の変容について―植民統治期の遺物から土地の記憶へ―
台湾文化資産保存法の沿革を俯瞰し、文化資産概念の変容過程とその過程で生じた問題点を採り上げつつ、台湾文化資産法制の現状と課題について初歩的な考察を試みた。台湾の現状はまた日本における近代建築の保存・活用を推進する際に一定の示唆を与えるものであり、かつ文化資産としての建築物を社会の公共利益として活用するための視点を提示しうることを検証した。
広島経済大学研究論集
第37巻
第4号