意見文の産出過程における自己対象化能力の発達に関する基礎的研究
意見文の産出過程において、「納得しない読者」を推測する活動が自己対象能力の発達に及ぼす効果を明らかにしようとした。共通テーマについて記述した作文を読み合い、自分とは考えの異なる意見文の中から自分の意見に最も納得しないと思われる作文を選び、その作者が自分の作文をどのように批判するかを書かせた。相手の立場に立って読み比べるという段階から、優れた他者に気づくという段階への変化が、意見文の質の向上に寄与するとともに、自己対象化能力の強化を促すことを明らかにすることができた。
2008年度 奨励研究 課題番号20907016