「平和作文の文章表現指導に関する基礎的研究 ―「文集ひろしま」に掲載された平和作文をとおして―」
戦後書き継がれてきた平和作文について、作品に表れた表現や内容、ものの見方考え方には、時代や社会とのかかわりの中でどのような特徴があるかを分析し考察した。広島市小学校国語部会が毎年発行している「文集ひろしま 小5・6年」を取り上げ、過去60年間の平和作文を抽出したところ、平和作文が7266作品あったが、全作品中の約4%と低いことが分かった。小学生が聞く戦争体験の相手が、時代の経過とともに父母から祖父母、語り部へと変わっていくなかで、反戦への思いの表現の仕方に変化が見られることを指摘した。
「国語教育研究」 第58号(広島大学国語教育会)